あなたは分かりやすい文を書くため、どんなことに注意をしていますか?使うべき言葉で悩んだり、意味を確認するために辞書で調べたりはしても、句読点については感覚にまかせて打ったりしてはいないでしょうか。句読点(読み方:くとうてん)とは、句点「。」と読点「、」など文章を区切るためのものです。
句読点は、文の読みやすさを大きく左右する重要な要素です。たとえ言葉は間違っていなくても、句読点を上手に打っていないと、意味が分かりにくい文になって、誤解を招くこともあるのです。正しい使い方を覚えて、わかりやすい一文一義な文章を書けるようにしましょう。
そこでこの記事では、句読点の適切な打ち方について取り上げます。最初に句点「。」の打ち方について、適切な1文の長さを中心に考えます。次に読点「、」の打ち方について、ライティングでよく使うポイントに絞ってご紹介しましょう。
目次
句点の打ち方
文の長さが長すぎると、読み手にとって分かりにくい上、文のねじれも起きやすくなります。ここでは分が長くなるのを防ぐための、長さの目安と句点を使わない文章の終わり方である体言止めについて取り上げます。
1文の文字数の目安
1文の文字数は、何文字くらいが適当でしょうか。これに関しては意見が分かれており、一概に何文字以内と言い切ることはできないようです。
例えを列挙するような文や、引用が入る文では、多少長くなる場合もあるでしょう。それでも一般的には適度なところで句点を打ち、1文の文字数が長くなり過ぎないようにすることが必要です。
さまざまな情報をもとに考えると、少なくとも、80字を超えると多くの人は長いと感じるようです。
句点の打ち方のポイント‐一文一義の原則
1つの文にいろんな内容を詰め込みすぎると、複雑で分かりにくくなりがちです。文学作品ならともかく、ライティングの仕事では分かりやすい文を書くことが求められます。
そこでポイントになるのが句点での文章の区切り方です。文章を読み直し、長くわかりにくい文章は複数の内容が1つの文章に含まれていないか確認してみましょう。
基本的に1つの文が1つの意味になるように心がけることで、文章は理解しやすく簡潔になります。この1つの意味に対して1つの文章を作ることを『一文一義』と言います。
実際に以下の2つの例を読み比べてみましょう。
例1:当店では、お客様の予算や用途に合わせて、国内製から海外製までさまざまな種類の製品を取り揃えて、来店できない方のために、有料ではありますが出張サービスも行っています。
例2:当店では、お客様の予算や用途に合わせて、国内製から海外製までさまざまな種類の製品を取り揃えています。また、来店できない方のために、有料ではありますが出張サービスも行っています。
例2のように、品揃えに関する前半と、出張サービスに関する後半を、別々の文にしたほうが分かりやすくなります。
句点が不要な体言止めの例
体言止めは文の末尾を名詞にすることで、その言葉を印象づける表現です。一般の体言止めには句点を付けますが、箇条書きや、参照を示す文末に使う場合、句点は不要とされています。たとえば、以下のような表現です。
例1:予約の際、以下の内容をお伝えください。
- 住所
- 電話番号
- 氏名
- 都合のよい日時
例2:連絡先:○○センター
住所:東京都…1-3-8
受付時間:月曜日~金曜日
例3:「○○○」を参照
読点の打ち方
読点は、句点と違って明確なルールがないだけに、人によって打つ箇所が多少異なります。実際、どこに打つといいか、迷うことはないでしょうか? それでも読点を打ったほうがよい箇所には、ある程度の法則性が見られます。ここではライティングで使う頻度が多いものを中心に、6つ挙げてみました。自分の打ち方が適切か、見逃している点はないか、チェックしてみましょう。
誤解を招く恐れがあるときに打つ
修飾語がどの語にかかるか分かりにくく、意味を誤解される恐れがある場合に打ちます。
例:当店がとても大切にしている、スタッフの研修についてご紹介します。
読点がないと、「大切にしているスタッフ」の研修かと誤解される可能性があります。
長めの主語や目的語の境目に打つ
長い修飾語が主語や目的語にかかると、どこまでが主語や目的語なのかが分かりにくくなるので、読点でその範囲を際立たせます。
例1:近年環境問題に積極的に取り組んでいる工業地帯のA市は、電子機器を無料で回収しています。(長い主語)
例2:予約番号のシールを、品目ごとに指定された通り分かりやすい位置に貼ってください。(長い目的語)
理由と結論、原因や条件と結果の間に打つ
どこまでが理由や原因なのか、視覚的に分かりやすくなります。
例1:まだ十分使えるので、捨ててしまうのはもったいない。(理由と結論)
例2:自分で直接持ち込むと、処理手数料が安く済みます。(条件と結果)
逆接や対比の関係の間に打つ
意味の対比をより明確にすることができます。
例:粗大ごみの回収は基本的に無料ですが、引っ越しなどで大量に捨てる場合は有料になります。
並列の項目ごとに打つ
対等な関係にある言葉や内容を並べるときに、読点で区切ります。
例1:予約の際は、住所、氏名、電話番号、都合のいい日時をお伝えください。
このように語句を並べる場合、中黒「・」を使って「予約の際は、住所・氏名・電話番号・都合のいい日時をお伝えください。」とすることもできます。
例2:所要時間が短く、コストをおさえることもでき、仕上がりもきれいです。
接続詞の後に打つ
接続詞(しかし・また・あるいは・そして・なお)などの後に付けると、読みやすくなる場合が多くなります。
例:なお、市内に居住していない人は利用できません。
一文に含める読点の数の目安
ここにあげた読点の打ち方のポイントは、絶対的な決まりではありません。全部あてはめると、多くなりすぎる場合もあるでしょう。読みやすい文にするために読点は必要ですが、つけすぎると、逆に読みにくくなってしまいます。
ライターの書いた文章の平均値を出したところ、1文あたり約50文字、読点は約1.5個だったという報告もあります。この平均値を大幅に超えたら、無駄に読点をつけすぎていないか、文が長すぎないかをチェックしてみたほうがいいでしょう。
ライティングで気を付けたい句読点の打ち方のまとめ
適切な句読点の打ち方について説明してきましたが、普段の自分の句読点の付け方と比べて、いかがだったでしょうか。句読は、読み手にとって分かりやすい文にするための重要な要素です。下記に主な注意点をまとめますので、ぜひ参考にしてください。
- 1つの文は1つの意味にして、文を長くしすぎない
- 読点は必要な箇所だけに打ち、多いときは減らすか、文を分ける
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