Web広告では、どのユーザーに配信するかを決める「ターゲティング」の設定が重要です。その一つの手法である「コンテンツ連動型広告」について知っておきましょう。そのメリットと注意点、効果的に活用するためのポイントを詳しく解説します。
コンテンツ連動型広告とは何か
コンテンツ連動型広告(=コンテンツマッチ広告)とは、ユーザーの興味や関心ではなく、広告を表示させるWebサイトやアプリなどの「内容」に合わせて配信される広告のことです。
例えば「音楽」と指定すれば、広告は音楽関係のWebサイトやアプリを狙って配信され、「自動車」と指定すれば、自動車関係のブログや通販サイトなどで表示されるようになります。
コンテンツ連動型広告は、広告の配信先を絞り込む「ターゲティング」の一種です。Google広告では「コンテンツ ターゲット」という名称で設定できます。
興味関心連動型広告との違い
Web広告で利用できるターゲティング条件は「コンテンツ」だけではありません。ユーザーの興味・関心によってターゲティングする興味関心連動型広告(=インタレストマッチ広告)というタイプもあります。
興味関心連動型広告は、ユーザーが過去に閲覧していたWebサイトのコンテンツ内容や購入履歴、検索履歴などを参考にして興味・関心を推測し、それに合わせた広告を表示する仕組みです。
配信先の特徴ではなく「ユーザーの特徴や属性」に合わせた広告を表示させる「オーディエンス ターゲティング」に分類されます。
コンテンツ連動型と興味関心連動型は併用可能です。ターゲティングの条件として両方を設定することで、広告を配信するユーザーをさらに詳しく絞り込めます。
検索連動型広告との違い
検索連動型広告(=リスティング広告)とは、検索エンジンに入力したキーワードに応じて表示される広告です。Webサイトやアプリ上に配信される広告ではないので、コンテンツ連動型広告とは種類が異なります。
検索連動型広告では、検索エンジンの上部や下部に、検索結果の一部として広告リンクが表示されます。
基本的には、ユーザーが検索エンジンに入力した「キーワード」に応じて表示する広告が決まりますが、ユーザーごとの興味・関心も反映され、最適化された広告が表示されます。
コンテンツ連動型広告のメリット
コンテンツ連動型広告のメリットを2つ紹介します。
見込み度の高いユーザーを狙える
コンテンツ連動型広告は、見込み度の高い顧客を狙って配信できるので、広告のコストパフォーマンスを改善しやすいことがメリットです。
Webサイトに表示されるディスプレイ広告は、「興味はあるけど、今はその気分じゃない」というタイミングで表示されると、ユーザーに不快感を与えてしまいます。
一方、コンテンツ連動型広告は、ユーザーがちょうど広告と関係のあるコンテンツを利用しているときに表示されるので、不快感を与えにくいことがメリットです。「今、見ているサイト」と関係がある内容なので、過去の行動を追跡されている印象も少なくなります。
配信先のコンテンツの種類を詳細に指定できるので、「配信したくないサイト」を指定し、さらに精度を高めることも可能です。
画像や動画コンテンツを駆使できる
コンテンツ連動型広告はディスプレイ広告として配信できるので、検索連動型広告のようにテキストだけの広告には無い強みがあります。イラストや写真、動画、音声、音楽など、豊富なコンテンツを駆使して、さまざまな訴求方法が考えられます。
画像や動画の広告は、テキストだけのコンテンツよりも、ユーザーに対する強いインパクトを与えることが可能です。
コンテンツ連動型広告の注意点・デメリット
コンテンツ連動型広告のデメリットについて、2つのポイントを解説します。
広告の制作費用がかかる
コンテンツ連動型広告はディスプレイ広告が基本ですが、テキストだけの広告よりも制作費用が高くなることがデメリットです。
バナー画像や動画の制作費用と手間がかかります。
テキスト広告よりも工夫できる点が多い分、質の低い広告と、高品質な広告の「差」が大きくなりやすいことにも注意が必要です。安さや簡単さを優先して質の低い広告を作ってしまうと、広告の印象が悪くなり、広告の効果が低いだけでなく、会社や商品のイメージを悪化させる危険があります。
高品質な広告を、できるだけ無駄なコストのかからない体制で、スムーズに作る仕組みづくりが必要です。
コンバージョン率が低い
リスティング広告と比べて、コンバージョン率が低いことも、コンテンツ連動型広告のデメリットです。
リスティング広告では、「自社の商品について調べている人」や「検討している人」を狙って広告を表示できますが、コンテンツ連動型広告ではそれが難しくなります。
コンテンツ連動型広告は、コンテンツのジャンルが一致するWebサイトやアプリに表示するとはいえ、「他のコンテンツを見ているとき」に表示する広告です。商品やサービスの存在を知らないか、知っていても検討には至っていない「潜在層」に表示するため、コンバージョン率が低くなります。
「インプレッション重視」で、多くの人にサービス名やブランド名を知ってもらう目的で使うと効果的ですが、コンバージョンを重視するなら即効性が低い広告です。
コンテンツ連動型広告を効果的に活用するコツ
コンテンツ連動型広告を効果的に活用するために、知っておくべき2つのコツを紹介します。
効果検証に力を入れる
どの広告でも共通しますが、「効果検証」をしながら運用していくことが重要です。コンテンツ連動型広告では、商品に興味を持っていなかった人の目を引く必要があるので、バナーのデザインやキャッチコピーのクオリティが、効果性に直結します。
広告の効果検証のために「ABテスト」を実施しましょう。ABテストとは2種類のコンテンツを比較して、どちらの効果性が高いかを検証するテスト手法です。
例えばGoogle広告では、広告の効果性をテストする機能が用意されていて、ABテストを実施しやすくなっています。現在配信している広告とは別に、新たなテスト用の広告を設定して一定期間配信することで、効果性を比較できる機能です。積極的に活用して、効果の高い広告を配信しましょう。
テスト機能の参考:Google広告ヘルプ
ランディングページを工夫する
広告のリンク先には、ランディングページと呼ばれる専用のWebページを用意するのが一般的です。
リンク先を会社のホームページや、通販サイトのトップページなど、汎用的なページに設定してしまうと、ユーザーはどこを見ていいのかが分からなくなり、離脱しやすくなります。
広告とセットで作成した専用のランディングページをリンク先に設定し、シームレスに購入や申込へと誘導できるように工夫することが重要です。
コンテンツ連動型広告の場合、アクセスするのは商品の存在を知らなかった「潜在層」であることを意識して、商品の特徴や魅力を基本から分かりやすく伝えるランディングページになるよう意識しましょう。
コンテンツ連動型広告を配信できるサービス
コンテンツ連動型広告を配信できるサービスとしては、次の2つのアドネットワークが多く利用されています。
- Google広告
- Yahoo!広告
アドネットワークでは、コンテンツ連動型だけでなく、前述の「興味関心連動型」をはじめ複数のターゲティング条件を組み合わせた配信が可能です。
他にも設定できるターゲティング条件には、年齢層や性別、地域、リマーケティングなどがあります。
リマーケティングとは、自社のサイトを訪問したことがあるユーザーに限定するターゲティング広告です。コンテンツ連動型と合わせて、ターゲティング条件として活用してみましょう。
関連記事:リマーケティング広告を配信する効果と適切な費用は?
まとめ
コンテンツ連動型広告は、広告の内容と関連のあるコンテンツ上に表示されるので、違和感が少なく、ユーザーに受け入れられやすい点がメリットです。興味関心連動型など、他のターゲティング条件とも組み合わせることで、さらに効果的に配信できます。自社サービスの特徴や、マーケティング施策の目標に合ったターゲティング方法を選択しましょう。
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