リマーケティング広告はリスティング広告の一種です。「以前、自社サイトを訪問したことがある」顧客に対し、自社サイト以外のWebサイトに自社の広告を表示し、再訪を促せる点が大きなポイントです。
リマーケティング広告とは
リマーケティング広告は、以前にサイトや動画、アプリを利用したユーザーと再びつながるための方法です。売上を伸ばす、登録数を増やす、ブランド認知度を高めるなどの目的で行います。
リマーケティング広告を使うと、顕在層への啓蒙、顧客層へのリピート促進、見込み客へ再アプローチ、単純接触回数を増やすことが可能です。
以前に一度ユーザーは触れたことがあるため、費用対効果が高く、コンバージョンする確率が高くなります。ことあるごとにユーザーと接触し、ブランド認知度を高めて信頼関係を築いていきましょう。特に、Amazonや楽天市場など多くのECサイトにおいては、「1回見ただけでは購入しない」客は多く、離脱していきます。しかしながら、1回も訪問していない顧客に比べると、もう一押しすることで自社商品を購入してくれる可能性が高いのです。
リマーケティング広告とリマーケティング広告の違い
Google広告の場合は「リマーケティング広告」、Yahoo!広告やFacebook広告などGoogle広告以外の場合は「リターゲティング広告」と呼んでいます。
基本的には同じ広告を指しており、異なるのは広告掲載先です。
ここでは、リマーケティングに統一してお伝えします。
リマーケティング広告の仕組み
ユーザーが再びサイトを訪れた時に、ユーザーの端末側にあるCookie情報により、サイト側が再訪ユーザーを識別することができます。Cookieとは、サイトの提供者側が、ブラウザを通じてユーザーの使用端末に何らかのデータを書き込んで保存させる仕組みのことです。リマーケティング用の「タグ」をサイトに設置することで、訪問ユーザーにCookieを付与し、そのCookieを目印にユーザーを追跡して、別のサイトを閲覧しているユーザーに広告を表示することができるという仕組みになっています。
リマーケティング広告の種類
リマーケティング広告の種類は、下記の通りです。
リターゲティング広告は、提携サイトのネットワークを持つ広告サービスに対し広告を出稿し、そのネットワーク内の提携先広告枠に出稿した広告が表示される、という方式が一般的です。Google広告(GDN)・Yahoo!広告(YDN)の2つでネット上の広告媒体の大部分をカバーできます。まず最初は、この2つの運用から始めるのが良いでしょう。
- Google広告(GDN)
- Yahoo!広告(YDN)
- Facebook広告
- Instagram広告
- LINE広告
媒体ごとに管理画面があり、管理画面からリマーケティング用のタグを生成することができます。そのタグを自社サイトに設置するだけで、リマーケティング広告を配信することができます。
Google広告(GDN)では、過去に、自社広告にアプローチしたことがあるターゲットや、購入履歴があるターゲットを追跡する機能があります。詳細は配信の種類にて、後述します。ユーザーリストが一定の数を超えないと広告配信されない特徴があります。
Yahoo!広告(YDN)では、「サイトリターゲティング広告」と「サーチキーワードターゲティング広告」の2つがあります。
サイトリターゲティング広告は、自社のウェブサイトを訪れたことがあるインターネットユーザーをターゲットに広告を表示します。サーチキーワードターゲティング広告は、サーチキーワードリストに指定したキーワードの検索履歴を持つ顕在層に合わせた広告文を作成することが可能です。
Facebookでリターゲティングの設定する方法は、「Facebookピクセル」のコードをサイトに埋め込み、カスタムオーディエンスを作成します。そして、対象オーディエンスを設定します。
Instagram広告のリターゲティングである「ダイナミック広告」を設定するためには、ウェブサイトにFacebookピクセルを設置します。商品情報とリマーケティング情報をもとに、クリエイティブを自動生成します。また、オーバーレイやクーポンなどを追加することも可能です。
「LINE」は、日本国内で月間利用者数(以下、MAU)8,600万人(2020年9月末時点)を誇るコミュニケーションアプリです。LINE広告では地域・性別・年齢などのパーソナル情報やサイト・アプリ内での行動履歴などを基に、予め設定したユーザーへ広告を配信することが出来ます。
リマーケティング広告配信の種類
リマーケティング広告を検討する場合、通常のリマーケティング広告の他にも、動画やアプリ、メールリストなどの種類があり、Google広告で利用できるリマーケティング広告の種類は下記の通りです。
標準のリマーケティング
以前、サイトにアクセスしたことがあるユーザーに対して、テキストやバナー形式で広告を配信します。
YouTube動画リマーケティング
以前、自社の動画を視聴したユーザー、自社のYouTubeチャンネルページへ訪れたユーザーに対して広告を配信します。まず、YouTube チャンネルと Google 広告アカウントをリンクします。その後、YouTube で次の操作を行ったユーザーに広告を表示するリマーケティング リストを作成できます。
アプリのリマーケティング
ユーザーにアプリをインストールしてもらう・インストールしたアプリを実際に使ってもらうために、リマーケティング広告を出します。
以前にアプリを使ったユーザーに対し、各ユーザーに適したメッセージやクリエイティブを表示できます。ユーザーが他のアプリを利用している際に、自社のアプリの広告を配信して、認知を高めたり利用を促します。
メールリストなど顧客情報リマーケティングーカスタマーマッチ
Google 広告のカスタマーマッチを使用すると、顧客から提供された情報(メールアドレスや電話番号が暗号化される)を使用して、的確に顧客にリーチできます。顧客情報に基づいたユーザーリストを作成することができます。広告は、広告主様が Google と共有した顧客データに基づいて、顧客に表示されます。
ただし、カスタマーマッチを利用するためには、条件をクリアする必要があります。
検索広告向けリマーケティングリスト(RLSA)
RLSAとは、広告主様のサイトを訪問したことがあるユーザーへ、検索広告をただ表示するのではなく、カスタマイズして広告表示する機能です。該当ユーザーが Google や検索パートナーのサイトで検索した場合に、ユーザーに合った広告を表示したり、入札単価を調整できます。よって、見込みの高いユーザーにのみ配信を強化することができます。
Google アナリティクスのリマーケティング
Googleアナリティクスと連動し、アナリティクスのデータを活用することが可能です。アナリティクスのデータに基づいて、コンバージョンに至る可能性の高いユーザーのリマーケティングリストを作成できます。
リマーケティング広告で成果を出すポイント
成果を出すために効果的なポイントとコツをお伝えします。
リマーケティングリストの精度を上げましょう。
コンバージョンまでの期間を把握し、リストや期間に応じて入札単価を変更しましょう。リマーケティング用バナー広告の種類を増やし、訪問したページの階層でモチベーションの温度を把握しましょう。
並行して、リマーケティング広告以外の施策の精度を上げていきましょう。
成約率を高めるコツは、先述の通り「リストの精査」です。
既にコンバージョンしたユーザーをリストから除外すること、サイト訪問からの日数でリストを分けること、詳細ページごとに訪問したユーザーのリストを作成すること、加えて、以前商品を購入したユーザーにリピートしてもらうことです。
例えば、定期的に購入が必要な商品の場合、購入(成約)した既存ユーザーに、一定期間後に追跡して広告を表示すると有効かもしれません。
一方で、一度買ったら当分購入しない高額商品の場合、既存ユーザーに広告を表示する必要はなく、商品ページを見たものの決断できず離脱した見込み客に表示させるほうが有効です。
リマーケティング広告に必要な費用
リマーゲティング広告は、一般にリスティング広告など他施策と比較した場合に、費用対効果が高いと言われています。リピーターという潜在可能性の高いユーザーに絞って広告を表示できるからです。
費用を考える際に注意する必要があるのは、きちんとした配信設定を行わないと「無駄な広告配信が発生する」という点です。
例えば転居のため賃貸物件を探し、実際に引っ越しが完了したユーザーがいるとしましょう。そのユーザーの引っ越しが完了したかどうかの追跡ができない場合、広告配信対象から外すことができません。既に引っ越しを完了したユーザーに賃貸物件の広告を出し続ける事になる可能性があります。
そうした無駄な広告配信をしないように、きちんとした運用プランを立てましょう。
クリック課金型/インプレッション型の費用は1クリックあたり10円~(予算に応じて自由に設定可)です。
効果的なリマーケティング広告配信で成約サイクルを速めよう
リマーケティング広告は、潜在可能性の高いユーザーへアプローチをすることができます。サイトの集客を目的に行うリスティング広告と並行して運用し、成約につながるサイクルを構築しましょう。
リマーケティング広告運用や予算の立て方、他の広告施策について、ご不明な点がございましたらサイトエンジンへお気軽にお問い合わせください。