オウンドメディアではSEOは欠かせない集客方法です。
構築するときには必ずSEOを考慮したうえで設計するべきです。運用ではチーム全員が仕組みを理解して、キーワードの選び方、タイトルタグ、メタディスクリプションタグなどの書き方、コンテンツの構成の考え方などに反映させましょう。
この記事は、オウンドメディアを立ち上げて軌道に乗せるまでをスムーズにするためのSEOの方法をまとめています。
設計と構築
デザインや開発をはじめる前の設計の段階からSEOを意識しておきましょう。作り終わってから修正すると余計な工数がかかります。以下はSEOの基礎をまとめていますので、最低限カバーしておきましょう。
URLはシンプルになるように設計する
オウンドメディアを運営するにはまずドメインを取得します。ドメインとはexample.comのような、サイトを運営するときにURLとして使われるものです。短く、覚えやすく、サイトの名前を連想できるものにしましょう。ドメイン自体がSEOの順位に影響があるかというと、ないのですが、SNSなどで露出を増やすときには文字列の長さや覚えやすさなどは影響してきます。
ドメインの下にどうページを配置していくかを決めます。ものすごくページ数が多くなる想定のオウンドメディアを除いて、基本的に以下のいずれかの構造をおすすめします。
example.com/pagename1.html
example.com/pagename2.html
example.com/pagename3.html
もしくは
example.com/categoryname1/pagename1.html
example.com/categoryname1/pagename2.html
example.com/categoryname2/pagename3.html
pagename1.html のpagename1の箇所には、ページの内容を示す英単語をハイフンつなぎで入れます。たとえばいまご覧いただいているこの記事は ownedmedia-seo-instructions.html になっています。
categoryname1.html の categoryname1の箇所にはカテゴリの名称が入ります。カテゴリとは、オウンドメディアのページを分類するためのものです。
URLはシンプルなものにしましょう。英単語を組み合わせるとしてもなるべく2~3語にします。
設計次第では日本語もURLに入れることができますが、おすすめしません。理由としては、日本語のURLは自動的に英数字に置き換えられるのですが、そのときに文字数が長くなりすぎるためです。SNSなどに投稿されるときに、文字数を無駄に使ってしまいますし、見栄えが悪くなります。一時期URLに日本語が入っていることで、順位に影響が出ているタイミングもありましたが、いまはほとんど影響がありません。
また、ドメインはなるべく今まで使っていたものをそのまま使うのが望ましいです。たとえば、example.co.jpというドメインで会社サイトを運営しているとすれば、example.co.jp/mediaなどサブディレクトリにオウンドメディアを設置します。これは新規ドメインやサブドメインを使うよりもドメインパワーによるSEOの効果を受けやすいためです。
URLを正規化する
URLの正規化とは、まったく同じ内容のページが複数のURLでヒットする状態を避けて、1つのURLだけに限定することを指します。
たとえば以下のようにバラけることがありえます。httpとhttpsの違い、wwwの有無、index.htmlの有無などURLに微妙な差があるのに、すべてにまったく同じ内容が掲載されているというケースです。
http://example.com/
https://example.com/
http://example.com/index.html
https://example.com/index.html
http://www.example.com/
https://www.example.com/
http://www.example.com/index.html
https://www.example.com/index.html
ほかにも検索結果のページや記事詳細ページなど、下層でも1つのページに対していくつものURLが生成されてしまっているのを見逃してしまうことがあります。
こうした状態になっていることのデメリットとしては、
- 検索エンジンがどれを評価するべきかがわかりにくくなる
- それぞれのURLにリンクを貼られてしまうと評価が分散してしまうが、検索結果に表示されるのは1つだけなので評価を失ってしまって損をする
などがあります。
URLを正規化する方法です。オウンドメディアの設計のタイミングでは1が大切です。
- そもそも2つ以上のURLをつくらないようにする
- 複数URLが生成されてしまったものは1つを残してすべて消して、消したURLから301リダイレクトをする 参照:【301リダイレクト】.htaccessの書き方とファイルのアップロード方法
- AMP(Accelerated Mobile Pages)など何らかの都合でどうしてもURLを複数残さないといけないものは、評価してもらいたいURLに向けてcanonicalを設定する
canonicalは正式なURLを検索エンジンに伝えるためのものです。複数の重複した内容のURLが存在しているときに、優先して評価してもらいたいURLをcanonicalに設定しておくことで、その他のURLは評価しないようにしてもらえます。
canonicalの設定方法は以下です。以下を評価してもらいたくないURLの<head>と</head>の間に設定します。
<link rel="canonical" href="https://example.com/">
たとえば、https://example.com/ だけを評価してもらうために、https://www.example.com/ (wwwあり)、http://example.com/(httpsではなくhttps)、https://example.com/index.html (index.htmlあり)などのURLに上記のタグを設定します。
canonicalを設定する以外のURLの正規化方法もあります。そのほかの方法を知りたい方は以下を参考にしてください。
重複した URL を統合する – Search Console ヘルプ
見出しタグを適切な箇所に使うように設定する
見出しタグとは、h1からh6まで使える見出しを表すためのタグです。検索エンジンにページのテーマを正確に伝えるために必要です。
オウンドメディアの構築をするときには以下が使えるようにそれぞれのデザインを用意して、設定できるようにしておいてください。h1は記事タイトルが自動で入るようにします。
- h1:記事タイトル
- h2:大見出し
- h3:中見出し
- h4:小見出し
h5やh6は必要に応じて用意してもよいですが、ほぼ使いません。よほど短いコンテンツを作成するのでない限りは、h2まではすべての記事で必ず使います。h3やh4は記事によっては使いません。
見出しタグ設定の注意点です。
- サイドバーやフッターなどのナビの箇所でh2やh3などを装飾目的で使ってしまっているケースがあります。全ページに共通した要素でhタグを使わないようにします。
- h1タグは何回でも使えますが、基本的に記事タイトル一箇所のみに設定します。h2,h3などは同じページで複数回使います。
内部リンクはユーザーが情報を探しやすいように設定する
内部リンクとは、オウンドメディア内のほかのページへのリンクのことです。たとえばトップページには、記事ページやカテゴリページへのリンクが一覧になっています。
以下のルールを守って内部リンクを構築します。
- トップページからすべてのページを2もしくは3クリックでたどれるようにする
- それぞれの記事ページのなかに関連したページへのリンクを入れる
- カテゴリやタグなどのページを用意して、情報を探しやすくする
- 見せたい情報順ではなく、求められている情報の順にリンクを並べる
上記を満たすためのテクニックとして以下のようなものがよく使われます。
- パンくずリスト(TOP > カテゴリ名 > 記事名 のようなリンクのことです。)
- 記事ページに設置する関連したおすすめ記事ページのリンク
- 人気記事ランキングを作り、アクセス上位のページへのリンク
タイトルタグとメタディスクリプションタグはユニークに設定できるようにする
タイトルタグとは、以下のようにページのタイトルを入れる箇所です。
<title>ページタイトルです</title>
メタディスクリプションタグとは、ページの説明文を入れる箇所です。
<meta name=”description” content=”メタディスクリプションです”>
いずれも検索結果(SERPs)に表示されるため、検索結果でのクリック率に大きく影響します。また、タイトルタグは順位にも影響します。
以下の画像で、タイトルタグには「かくたまブログ – ライティングやコンテンツ制作のお役立ち情報発信」が設定されていて、メタディスクリプションは黄色く色をつけている部分が設定されています。
オウンドメディアの設計で欠かせないのは、ページごとにユニークなタイトルタグとメタディスクリプションタグを設定できるようにすることです。いずれかのタグがすべてのページで共通になるとSEOは上手くいきません。
タイトルタグは基本的に以下で設定することを推奨します。「オウンドメディアの名称」の箇所には会社名やサービス名などのブランド名などが入ることもあります。
トップページ
<title>キャッチコピー | オウンドメディアの名称</title>
記事ページ
<title>記事タイトル | オウンドメディアの名称</title>
カテゴリやタグなど一覧ページ
<title>カテゴリ名 | オウンドメディアの名称</title>
もしあなたの会社がものすごく知名度が高い誰でも知っている有名企業や有名ブランドで、かつ文字数が少ないなら、以下のように設定したほうがクリック率が高くなるかもしれません。ただ、ほとんどの場合は記事タイトルを前にしたほうがよいです。
<title>社名/ブランド名 | 記事タイトル</title>
ページ読み込み速度の改善
ページの表示速度が遅いと、読者にストレスを与えることになり、離脱率が高まってしまいます。また、検索エンジンからの評価も下がります。そのため、なるべく早くページを表示させるようにします。
ページスピードについてできることは以下のようなものです。
適切なスペックのサーバを借りる
見込まれる同時接続数などを予想して、適切なスペックのサーバを借ります。見込まれる月間のアクセス数や、同時に閲覧する想定人数などを伝えたうえで、エンジニアに相談しましょう。
キャッシュを設定する
キャッシュとは、開いたデータをもう一度使うときのために保存しておくことです。読み込み速度を改善するために使われます。
画像を圧縮する
特に意味がなく高画質の画像をそのまま使わないようにしてください。写真をメインで見せるようなサイトを除いて、ほとんどのサイトでは画像のサイズを大幅に圧縮したとしてもほぼ見栄えの変化はありません。デジカメやスマホで撮影した写真の容量をチェックして、減らせるものは減らします。
現状の表示速度やそのほかの細かい改善方法などはGoogleの提供している以下のサイトで確認できます。自分のオウンドメディアのURLを入力するだけで使えます。
表示速度について詳しく知りたい方は、「サイトスピード高速化によるメリットとは?計測ツールや改善方法と共にご紹介します」をご覧ください。
OGPをページごとに設定できるようにする
OGP(Open Graph Protocol)とは、SNSにURLが投稿されたときにどのような表示のされ方になるかを指定するためのものです。
まったく設定されていないと、画像などが何も表示されずにURLだけの表示になってしまうことがあります。画像があるかないかでクリック率が大きく変わってきます。
TwitterやFacebookなどのSNSで拡散されることは、集客に貢献してくれるのはもちろん、ほかのサイトからリンクをしてもらうためにとても大切な要素になっていますので、OGPがページごとに設定できるようにします。
TwitterやFacebookからのリンクは検索エンジンから評価されないと言われていますが、拡散されることで見る人が増え、見た人の一部が自分のサイトやブログなどからリンクを貼ってくれれば、それはリンクが増えたことになります。
SSL/TLSに対応して、https化する
これからオウンドメディアを構築するなら、SSL/TLSの対応はしておきましょう。
SSL(Secure Sockets Layer)、TLS(Transport Layer Security)とは、ブラウザとWebサーバの通信を暗号化して送受信するための仕組みのことです。悪意ある第三者に勝手に情報を盗み見られたり、改ざんされたりするのを防ぐために導入されます。SSLは3.0までバージョンアップされたあとに、TLS1.0という名称に切り替わりました。まだTLSに変更されてからそれほどたっていないため、SSLという表現のほうが多くの人に知られています。
セキュリティリスクを下げるために、新規に構築するオウンドメディアでは基本的にSSL/TLSを入れておきましょう。
導入すると、URLの最初の部分が、http:// から、https:// のように s がついた表記に変わります。
SSL/TLSが導入されていないと以下のようなデメリットがあります。
- ブラウザのアドレスバーの箇所に「保護されていません」の表示が出てしまいます
- Googleがランキングシグナルに使うと公表していますので今後SSL/TLSが導入されていないと不利になる可能性があります
Google ウェブマスター向け公式ブログ [JA] : HTTPS をランキング シグナルに使用します
なお、現時点ではSSL/TLSが入っているから順位が上がるかというと、それほど大きな影響はありません。ただ、ランキングシグナルに使っていると上記Googleの公式ブログでも公表されていて、これから新規につくるオウンドメディアであえてマイナスに作用するかもしれない方法を選ぶ理由はないので、とりあえずSSL/TLSを入れておいたほうがよいでしょう。
スマホ対応する(レスポンシブWebデザインにする)
レスポンシブWebデザインとは、パソコン、スマホ、タブレットなど、閲覧者の環境に応じて最適化してWebサイトを表示させる方法です。1つのHTMLファイルを閲覧端末に応じてCSSで見せ方を切り替えます。
Googleはモバイルファーストインデックスといって、スマホで見たときの見え方でサイトを評価して順位を決定しています。
これまで、Google のクロール、インデックス、ランキング システムでは、主にデスクトップ版のコンテンツが使用されてきました。そのため、その内容がモバイル版と大きく異なる場合、モバイル検索ユーザーに問題が発生する可能性がありました。 モバイル ファースト インデックスとは、モバイル版のページをインデックスやランキングに使用し、主にモバイル ユーザーが探しているものを見つけやすくすることを意味します。
検索結果の提供に使用するインデックスは引き続き 1 つのままです。 メインのインデックスとは別の「モバイル ファースト インデックス」はありません。 歴史的にデスクトップ版のコンテンツがインデックスされてきましたが、今後はモバイル版のコンテンツを使用していきます。
多くのサイトで、スマホ経由のアクセスのほうが多くなっているため、スマホ向けのデザインをメインにして、デスクトップをサブとして扱います。(もしあなたの運営するオウンドメディアのユーザーが極端にパソコン経由のアクセスに偏っているなら、そのときは考え方を変える必要はあります。)
レスポンシブWebデザインにして、スマホとパソコンのいずれからも同じURLで見られるようにすることで、運用も楽になります。以下もあわせてご覧ください。
モバイル ファースト インデックス登録に関するおすすめの方法 | Google 検索デベロッパー ガイド
コンテンツ制作・運用
制作したコンテンツを上位表示させるためには、コンテンツを磨き込んで、どのサイトよりもユーザーの検索意図を満足させることができるページにする必要があります。品質の高いコンテンツを作るために、SEOの方法をチーム全員が理解してマニュアルなどの業務フローに落とし込み、実践しながら方法を改善し続けます。
キーワード調査をする
それぞれのコンテンツでどのキーワードで上位にしたいのかを意識して作ることがSEOで成功するために必要です。メインキーワードを1つと、サブキーワードを数個書き出します。
メインキーワードは1単語だけではなく、複数の語の組み合わせで設定することもあります。たとえばこの記事では、「オウンドメディア SEO」をメインキーワードとして設定しています。サブキーワードは「オウンドメディア SEO」「オウンドメディア 集客」「オウンドメディア 成功」などです。
メインキーワードを決めるときには、そのキーワードが毎月何回検索されているかを調べましょう。
以下のサイトにキーワードを入力すると、そのキーワードおよび、サジェストキーワードの月間検索回数を調べられます。
サジェストキーワードとは、Googleでキーワードを入力している途中で候補として表示されるキーワードのことです。Googleが検索している人数から推奨するキーワードを表示させていると考えられるので、需要があるキーワードということです。
サジェストキーワードとは?一括抽出ツール5選とSEOでの使い方
キーワード調査の方法は以下の記事で詳しく説明していますから、あわせて参考にしてください。
月間検索回数が多いキーワードをかならず優先させるわけではありません。コンバージョンまでの距離を意識して、オウンドメディアの目的にあったキーワードを選びましょう。
たとえば、既存事業への問い合わせや資料請求を増やすことが目的のオウンドメディアと、PV(ページビュー数)/UU(ユニークユーザー数)を増やして広告収益を得ることが目的のオウンドメディアでは、狙うべきキーワードは変わります。月間検索回数だけを見てキーワードを選ぶと、PVやUUは伸びているもののコンバージョンはまったく増えないということになりかねません。
SEOの前に検索キーワードの種類を知る Googleが公表しているKnow,Go,Do,Buyの4分類とは
キーワードごとの購買意欲の大きさを知り、SEOの優先順位決めに活かす
同じページに情報としてまとまっているべきかどうかという観点でキーワードを整理して、サブキーワードを選定します。マインドマップでキーワードを分類してみるのもおすすめです。
【動画解説あり】マーケター必見!SEOに効果的なキーワードマップの作り方
検索意図を把握する
メインキーワードとサブキーワードを決めたら、メインキーワードのユーザーの検索意図は何なのかを考えましょう。
- どんな属性のどんな状態にある人が検索しているのか
- 抱えている悩みや解決したい課題など、検索している理由は何か
- 探している情報は何か
- 検索したあとにどうなっている/何を達成しているのが理想的な状態か
上記のようなことを考えます。また、上位にすでに表示されている他のページを読むことで、検索エンジンがどういう意図への回答となっているページを表示させるようにしているのか、傾向を掴みます。
上位表示されているページの見出しだけを抽出してくれる以下のサイトが便利です。ただ、特に最初のうちは見出しを見るだけではなく、通して読むこともあわせてしたほうがよいです。
見出し(hタグ)抽出:競合サイトの見出し(キーワード)を調べてSEO | ラッコツールズ🔧
検索意図に沿っていないコンテンツはどんなに頑張って作っても上位には表示されません。
「地震」と検索するユーザーに向けて、地震がなぜ発生するのかの仕組みについてどんなに丁寧にわかりやすく解説してもそのページは上位にはなりません。なぜかというと、「地震」と検索するユーザーが知りたいのは、直近で発生した地震の情報だからです。
ペルソナやカスタマージャーニーマップのような資料に落とすこともあります。ただ、それほど時間をかけられないことも多いでしょうから、これから制作するコンテンツの対象読者、キーワードの検索意図、読了後にどんな状態になってもらうことを目指すのかなどをテキストで簡単にまとめておくだけでもよいです。
検索意図に沿った記事構成案をつくる
記事構成案は、記事の流れをタイトル、見出し、見出しごとにどのような内容を含めるかの構成でまとめるものです。
検索意図への回答になるページにはどのような情報が掲載されているべきかを考えて、なるべく網羅的に情報を掲載していくことが重要です。
見出しを読んだだけで記事の流れや結論などがわかるようにします。
h2~h4くらいまで使って、論理的な構造を作ることが大切です。
h2は大見出しで、h3は中見出し、h4は小見出しです。概念として入れ子構造にできているかをチェックしてください。以下のようなシンプルな例だとわかりやすいですが、文章が長くなってくると適切に設定できていなことがあります。
良い例のように<h2>が野菜であれば<h3>には個々の野菜を入れるのが正しいです。悪い例のように野菜とトマトをどっちも<h2>で並べるといった書き方はやめましょう。
多くのCMSではh1,h2,h3に異なるデザインが割り当てられていることが多いですが、デザインで<h2>にするか<h3>にするかを決めるのではなく、必ず文章構造に合わせた適切な見出しを選ぶようにしましょう。
記事の執筆を始める前の記事構成案作成のタイミングで、そのページのSEOが上手くいくかどうか決まってしまっています。構成案が検索意図に沿ったものになっていなければ、どんなに文章が上手く専門知識が豊富な人が書いたとしても上位にならないことが多いでしょう。
記事タイトルとディスクリプションの書き方のマニュアルを作る
記事タイトルはSEOにおいてもっとも重要な要素です。記事タイトルの付け方は、順位、検索結果でのクリック率、SNSなどでのクリック/シェアのされやすさなど、さまざまなことに影響します。ディスクリプションも同じようにさまざまな数値に影響します。
せっかく良いコンテンツを作っても、記事タイトルが悪ければ上位になる可能性を大きく減らすことになってしまいもったいないです。ですので、記事タイトルはこだわって作りましょう。
以下のように決めます。
- メインキーワードやサブキーワードを含める
- 同じキーワードで上位に表示されているほかのページとの違いを意識して差をつける
- 検索した人が目をとめてくれる魅力的な内容にする
- TwitterやFacebookで投稿されたときの見た目を考慮する
これらのような要素をマニュアル、ルールなどに落としこんで、記事を制作する全員が理解しておくことが大切です。
検索エンジン以外でコンテンツを拡散するチャネルをつくる
競争がある程度あるキーワードでSEOをするには、ほかのサイトからリンクをしてもらうことが欠かせません。上位表示を達成したいページについているリンクと、同じサイト内のほかのページについているリンクの両方が順位に影響してきます。
どんなに良いコンテンツがあったとしても、ほかのページも含めてリンクが1つも集まっていないオウンドメディアの場合は上位表示を達成することは難しいです。
そのため、リンクを貼ってもらう初速を上げるために、SEO以外のコンテンツ拡散経路を持っておく必要があります。
TwitterやYouTubeやメールマガジンなど、ほかの方法を使って集客してみましょう。本当に良いコンテンツを提供しているなら、拡散してもらえて少しずつリンクが集まっていくでしょう。
すごくニッチなジャンルのBtoB商材を扱っているなど、一部リンクを貼ってもらいにくいオウンドメディアのテーマはありますので、その場合にはリンクを集めるためのコンテンツが必要になることがあります。具体的には業界の人に役に立つ調査をしてレポートを作成してプレスリリースで配信してみるといった方法や、外部の方に取材をして記事を作成してリンクを貼ってもらえる機会を増やすなどの方法があります。
過去コンテンツのリライト、メンテナンスをする
メインキーワードでの上位表示が達成できるまで、何度もリライトを繰り返します。以下のような方法があります。
- サジェストや共起語などの関連したキーワードを細かく追加で探して、そこから検索ユーザーのニーズを集めて追記
- キーワードについての最新の状態を保つための更新。特に時事性が高いキーワードの場合、頻繁に情報が増えていくため、記事をアップデートし続ける必要がある。
- サーチコンソールのデータから気がついていなかった集客に貢献しているキーワードを発見して、それについて追記
- ヒートマップなど解析ツールを導入して、読まれている箇所と読まれていない箇所を把握して、特に読まれている箇所をページの上部に持ってくる、読まれていない箇所を削るなど、より読まれやすく、わかりやすくするために改善する
- 新しい記事を公開したときに、過去記事の中に新規記事へのリンクを足す。リンクして相互に補完しながら説明することで、過去記事を読むユーザーにより詳しくテーマについて知ってもらう。
- 内容が重複している記事があったときに統合する。
ユーザーの満足度を見る指標としては、滞在時間やコンバージョン率、検索結果でのクリック率などがあります。直帰率は高いから満足していないわけではありません。記事を読んで目的の情報を十分に収集できて、満足して離脱している可能性があるためです。
リライトはオウンドメディアでのSEOを成功させてトラフィックを上げていくために欠かせません。サイトの規模が大きければ大きいほど、全体のUU(ユニークユーザー)のうち、新規記事の占める割合は過去記事より低いです。つまり、新規の記事を工夫するよりも、過去記事の見直しのほうが、改善できる余地は大きいです。
さらに、多くのサイトの場合、アクセス数に偏りがあり、 一部のページにアクセスが集中しています。アクセス数が多いページに絞って対策することで、 少ない手間で大きな成果を出すことができます。以下は弊社で運営しているサイトの実際のデータです。縦軸にそのページのアクセス、横軸はページが獲得しているアクセスの順位です。1~5位までのページに集客が依存していることがわかります。
以下のページでリライトについて解説しています。
SEOに使えるリライト方法 過去記事修正で流入を増やす【動画解説あり】
【動画解説あり】Googleに認められる「良いコンテンツ」の作り方とは?
仕組み化して徹底してやり切ることが大切
ほとんどのオウンドメディアはいたってシンプルな構造になっているため、特別難しいSEOの知識が必要なわけではありません。基本を忠実に押さえて、それらを仕組み化してマニュアルに落とし込み、全員が徹底して改善し続けることで、着実にアクセスを積み上げていくことができます。
ドキュメントの作成や標準化が終わったら、複数人でスピードを上げて記事の作成に注力しましょう。個別の作業を行う各担当者にも作成したルールの意図やPDCAを回す上で出てきた問題などを共有する必要があります。外部のライターや校正者をしっかりと教育するとともにマニュアルを常に改善して行くことが必要です。
初期段階ではほとんどの工程をコアメンバーが行っているため、ある程度の品質が担保された記事を製作することができます。しかし、記事の作成に関わるライターや外部の校正者が増えていくと、徐々に品質にばらつきが出てきてしまいます。これを防ぐために、改善のためのフィードバックが常にされる体制をつくります。
オウンドメディアのSEOでの集客は、最初思うように伸びずに辛い時期が続くことがありますが、あきらめずに継続してやり方を改善していきましょう。コンテンツのアイデア自体は他社にすぐ真似されてしまうかもしれませんが、磨き込んだオペレーションはすぐには真似できませんので、その部分が競合との差になります。
SEOとは何かを簡単に説明!初心者にオススメのGoogle公式ページも紹介
以下はSEOのための設計以外も含めてオウンドメディアの作り方を説明していますのであわせて参考にしてください。