今まで1度は聞いたことのある「KPI」。しかし自社のオウンドメディアには活かしきれていない、使い方がわからない、という企業はたくさんあり、実際に運用する中で活用できていない企業はたくさんあります。
そこで今回は、自社に合った「KPI」の設定方法をご紹介!流れに沿って、結果の出るKPIを設定しましょう!
KPIの基礎知識を知ろう
KPIを使うにあたって欠かせないものが2つあります。それがKGIとCSFです。順を追って説明していきます。
KPIとは?
Key Performance Indicator の略。すなわち、「成功事例」の「鍵」を「数値目標」で表したものです。後に出てくるCSFを数値で表したものとなります。
KGIとは?
Key Goal Indicator の略。最終的な目標値のことです。
CSFとは?
Critical Success Factor の略。すなわち、重要性好要因のことです。KGIを達成するうえで最も重要なプロセスであり、現場でコントロールできるものでなければなりません。つまり、現場の努力次第で変化するプロセスである必要があります。
KPI設定の正しい流れ
KPIの設定・運用には、しかるべき流れがあります。正しいステップで成果の出るKPIを作りましょう!
KGIと現状とのギャップを確認
最初に行うことは、KGIの確認と現状の数値と期末のギャップを確認することです。KGIにはオウンドメディアであれば、次のような例があります。
- コンバージョン数
- 新規会員獲得数
- ブランド認知
などです。
迷った場合は、新規会員獲得数をKGIにするとよいです。月間で会員ユーザーが増える= メルマガでのアプローチで定期的に自社メディアを見に来てくれるコアなファンを増やす施策が打てるからです。
現状のままで期末まで運営した数値と比較しながら設定しましょう。
プロセスの確認
通常、KGIとのギャップが出るのがほとんどです。そのギャップが出た場合、KGIを達成するためのプロセスを数式化して表します。
オウンドメディアのオンライン施策で例を挙げてみます。
新規会員数 = 新規ユーザー訪問数 × CVR
新規ユーザー訪問数 = インプレッション数 × CTR
アプローチは3つに大別できます。
①インプレッション数
②CTR
③CVR
①のインプレッション数は投稿が表示された回数のことです。たとえば、Twitterの場合は、投稿がユーザーのタイムラインに表示された回数のことであり、ユーザーが投稿を見る機会がどのくらいあったかを把握することができます。
②のCTRはClick Through Rateの略。クリック率のことを示します。広告が表示された回数に対して、どのくらいクリックされているかのパーセンテージです。CTRが0に近ければ近いほど、広告が表示されていてもクリックしてもらえていないということになります。
③のCVRはConversion Rateの略。コンバージョン率のことを示します。コンバージョンとは、ECサイトなどの場合は商品の購入、読み物の場合は読了率、キャンペーンの場合は資料請求など、そのページの目的としている成果地点のことです。
アプローチ数であればSNS、CTRであればSNSでの見出しやSEOや記事数 、CVRであれば記事クオリティといったところが対策すべき部分となるでしょう。
プロセスからCSFを絞り込む
たくさんのプロセスが出てきたところでCSFをそこから絞っていきます。
定数と変数を分ける
注力してもあまり数字が変わらないものを除きます。もちろん、まったく変動しない数値などはないので変化が少ないものを選びます。メディアであれば月額料金、営業組織であれば平均単価などです。
残りからCSFを抽出
定数と変数で分け、残ったものからCSFを抽出します。自社のリソースで対応できるんものを抽出しましょう。
例えば、「質の良い記事があるのにアクセスが伸びない」という場合では、認知を増加させるために、複数のSNSで広告を打つ、という手段が取れます。つまりCSFはSNSを使った、特定のユーザーへのアプローチ(認知拡大)となるわけです。
KPIの目標設定
抽出したCSFを数値目標に落とし込みます。この落とし込んだ数値こそ、KPIとなります。
CSFを抽出するところが重要で、CSFさえ抽出できればKPIの目標設定は簡単です。
例えば、SNSで自社の業界で有名な人物へのインタビュー記事を配信したとき、CVRが1%から5%に上がることがわかりました。CVRを上げるには、「業界有名人へのインタビュー」を記事にすればよいのです。そしてこのコンテンツを広告にて出したときの新規流入数を計算します。
KGIを新規リード獲得数500と仮定して、
新規リード獲得数(500) = CVR(5%) × 新規ユーザー訪問数(1万)
インタビューコンテンツを新規ユーザー1万人に届ける= CSF
この 「新規ユーザー訪問数(1万)」 がKPIです。
ここから広告流入数と自然流入数をそれぞれ5000ずつに分けます。
広告流入の場合は、新規ユーザー訪問数(5,000) = CTR(1%) × インプレッション数(50万)
自然流入の場合は、主にオーガニック、SNSの2つに分け、そこからさにそれぞれについて分けていきます。
オーガニック(2500) = CTR(10%)×表示回数(2万5千回)
SNS(2500) = CTR(5%)×インプレッション数(5万)
それぞれの式をKPI2、KPI3として追います。
認知拡大など、KGI に合わせてCSFを抽出したいですね。
コンテンツマーケティングのCSFとKPIは主に以下のものになることが多いです。是非参考にしてみてくださいね。
- CSF:資料ダウンロード数 = KPI:ダウンロード率5%アップ
- CSF: SNS広告エンゲージメント数(反応数) = KPI: 広告インプレッション数(リーチ数)数5万
気を付けること
KPIを運用する前に確認すべき大事なポイントが3つあります。
理屈上の正しさを確認する
・CSFが変化する=KGIが変化する
・KPIを達成する=KGIも達成する
という整合性を関係者同士で確認しておきましょう。
KPIの中にはやってみないとわからないという状況も多くあるので、期間、人員、を限定するなど、小さく実験してみてから全面展開するとよいでしょう。
安定して運用できるか
KPIの数値を安定してデータ化できるかを確認します。
外部に委託しないといけないのか、自分がそこに避ける時間はどれくらいなのかなど確認します。
シンプルに理解できるか
関係者がすぐに理解できるように準備する必要があります。現場のメンバーが理解できていなければいけません。
ベンチャー企業などは語呂を取り入れているところも多くいです。
例えば、売上でいうと「ゴーゴー5億!」など、勢いも感じられて良いかもしれません。
対策の事前検討
KPIの数値が悪化した時の対策を決めます。具体的には以下のものを決めておくのがおすすめです。
- 時期
- 程度
- 施策
- 意思決定者
例えば、施策1か月後(=時期) KPIが想定より20%低い場合(=程度) 他組織から5名投入する(=施策) といった具合です。
同時に意思決定者も決めておきます。なるべく意思決定に時間をかけたくはありません。
通常は組織のリーダーが適任でしょう。
まとめ
KPIというものは概念で把握するのはとても難しいものです。正直、運用してみないとわからないというところもあります。
大事なのは、KPIを運用していくなかで「この数値はKPIではないのではないか」「チームがKGIを忘れているのではないか」「途中でKPIとKGIが入れ替わっていないか」など常に疑問を持つことです。
特に、コンテンツマーケティングやオウンドメディアは追うべきなのではないかと思わせる指標がいくつもあります。
それを見極めるまでが大変なのです。しかし見極めることができれば、数字は自然と上がっていきます。
担当者の事前準備がスムーズなKPI運用のカギとなります。
コンバージョン率を上げるための方法をまとめていますので、参考までにご覧ください。