ブランディングとは
あなたの会社は、ブランディングしていますか?
今後ブランディングしていきたいと思っている方、既存イメージを一新させ新たにブランディングしていきたいと思っている方、正しい意味を知ってブランディングを実践しましょう。
ブランディングとは、ブランドを作ること、消費者に共通のイメージを持たせたり、実態のない価値を与える方法であり、企業と組織のマーケティング戦略の1つです。商品やサービスの差別化・イメージアップをしていくための活動全般を意味します。
ブランディングの正しい意味
ーブランドとは
- 自己の商品を他の商品と区別するために、自己の商品に使用する名称や標章。銘柄。商標。
- 特に優れた品質をもつとして知られている商品の名称や標章。 出典:三省堂「大辞林 第三版」
ブランドは、消費者にとって、「自分に価値ある商品やサービスを識別させてくれるもの」であり、企業にとって、「他社との差別化と競争力をもたらすもの」です。企業が商品やサービスを市場に提供し続けてゆくために、どれだけ強い価値を商品やサービスに付加することができるかが最重要です。
ー企業におけるブランディングとは
企業ブランディング(コーポレートブランディング)とは、「企業そのもののブランド構築」を指します。AppleならばiMacやiPhoneがまず思い浮かびますが、商品そのものよりも「Apple=機能やデザインが革新的、かっこいい、持っていることがステータス」と購入につながる企業ブランドを構築し、Appleという企業価値を高めることができています。
ただし、企業ブランディングが浸透するまでは、長い期間と労力が必要です。現在は、企業自らオウンドメディアを運営し、消費者へ自由に情報を届けることができます。
では、なぜ、ブランディングは企業にとって必要なのでしょうか。
ブランディングはなぜ必要か
あらゆる産業の中で、市場はすでに飽和状態になっています。自社商品やサービスが参入する市場では、コモディティ化している他の多くの商品・サービスと差別化する必要性があります。
自社商品やサービスに付加価値が認められなければサービス競争・低価格競争が余儀なくされるため、ブランディングで差別化をすることにより、市場におけるオリジナル性・優位性をもつことが可能になります。
ブランディングとマーケティングの関係
ブランディングは、企業と組織のマーケティング戦略の1つです。
マーケティングは、「その商品やサービスを欲しいと、消費者に思ってもらう取り組みや働きかけ」です。
ブランディングすることで、(企業がブランディングができていると仮定した場合に)消費者は自分の中にある構成されたブランドのイメージに従って、欲しい商品やサービスを的確に選んで購入することが可能になります。
ブランディングにより、消費者に選ばれやすくなった商品やサービスは、リピート率を向上させ、顧客満足度を高めることができます。これを繰り返すことで、”企業”に付加価値が認められると、口コミなどで新規購入者の取り込みや新商品に対する信頼を得ることも可能になります。
ブランディングのメリット
ブランディングすることで、企業が得られるメリットー価値・効果とは何でしょうか。
商品・サービスの認知拡大により、消費者に選ばれる立場となった企業に勤める従業員は「仕事に対する誇り」や「勤めている自分に対する満足感」を得られ、従業員のモチベーションアップにつながります。
「この商品なら、この企業」というイメージを獲得することにより、市場におけるオリジナル性・優位性を確立することができます。
具体的には、「他社の製品等と同価格であっても、より多くの製品等の販売・提供ができる」、「ブランドを利用してシナジー効果を生み出し、新市場を開拓できる」、「他社の製品に比べて高い価格で販売できる」、卸売業等においては、「ブランドを他社に対してライセンス供与または売却することによって莫大な収入を得ることができる」といえます。
ブランドの競争優位性は、価格の優位性、高いロイ ヤリティー、地理的展開、類似業種および異業種展開力等のブランド拡張力として具現化され、企業に現在および将来のキャッシュ・フローの増加をもたらすと考えられています。
ブランディングの前に
- 市場における自社の現状を知る
- ブランドアイデンティティを明確化
- ビジュアルアイデンティティを明確化
- 自社ブランディングの一貫性を持たせるルール作り
1.市場における自社の現状を知る
まずは、自社の現状を把握することから始めましょう。自分自身の部署だけでなく、他部署のプレゼン資料など「社外に対して従業員が発信している内容」から、従業員が自社をどのように受け止めているか、社外にこう見せたいという姿勢が見えてくることもあります。
- 既存の社内資料(組織文化やDNA)の収集と理解
- 経営トップへのインタビュー(未来像)
- ステークホルダー調査(消費者・従業員・取引先へアンケート・インタビュー)
- 自社/競合他社のブランドデザイン関連資料の収集(過去の広告や、WEBサイト、屋外サイン・看板)
2.ブランドアイデンティティを明確化
次に、集まった情報や資料を元に、経営トップは今後どの方向へ進んでいきたいのか、会社としてどのようなアイデンティティを持つべきかを言語化・確認しましょう。大切なことは、限られた「市場」で自社を見るのではなく、広い「社会」における自社の立ち位置を決めることです。
- 収集した情報・調査結果の全体分析(今後の方向性)
- コーポレートアイデンティティ(CI)の開発(社会における存在意義、解決すべき課題の明確化)
3.ビジュアルアイデンティティを明確化
ブランドアイデンティティが明確化したら、次は、ビジュアルアイデンティティを決めましょう。名刺・会社案内パンフレット・ホームページ・SNSアイコンなど消費者の目に留まる大切なデザインです。視覚的に、あなたの”会社らしさ”を見せるデザインとはどのようなものでしょうか。
- コーポレートアイデンティティを視覚化 ー企業名+コーポレートタグライン、ブランドロゴマーク、コーポレートブランドステートメント
- ネイティブチェック
- 商標調査
ブランディングの手順
準備が整ったら、いよいよブランディングしていきましょう。
・経営理念を明確にする
ー明確な志を言語化します。
社会において果たすべき役割と、経営トップと従業員が実現したい熱い思いとは何でしょうか。
・目的・ターゲットを明確にする
ー何のために・誰に伝えたいでしょうか。
不特定多数の誰かではなく、消費者(もしくは一部の消費者)、これから採用したい人、従業員のいずれかに伝えるために、強いメッセージを発信しましょう。
・ブランディングの手法を決める
ー何を使って、どのように伝えたいでしょうか。
・TV・ラジオCM
・WEBサイト(オウンドメディア・商品サイトなど)
・SNS(Facebook、Twitter、Instagramなど)
多くの人に認知してもらうために、自社にとって効果的な手法は何でしょうか。
オウンドメディアは、コンテンツマーケティングとして注目されている手法です。どの手法を使う際も、わかりやすさ、伝わりやすさ、興味を引くかどうかにこだわりましょう。
ブランディングの成功例
商品名やサービス名を聞いただけで社名が浮かぶ、自社がそんな会社になる未来が思い描けましたでしょうか。
誰もが知る、成功している事例をご紹介します。
- トヨタ レクサス
世界のラグジュアリーブランド市場で戦うレクサスは、いわゆる大衆車ではありません。既存のトヨタブランドとは一線を画し、真の意味での高級車とはなにかを追求すること、消費者にとって何が優先されるべきかを考えています。
レクサスが使用している手法
・TV・ラジオCM
・WEBサイト(オウンドメディア・商品サイトなど)
サイト上では、車種ラインナップ・ブランド・技術・お知らせ・購入後ケア・購入検討サポート・販売店情報・認定中古車情報を掲載しています。特にブランドに関するコンテンツがもっとも充実しています。
・SNS(Facebook、Twitter、YouTube、Instagram)
- Apple
Appleは1984年にMacintoshを登場させ、パーソナルテクノロジーに革命を起こしました。今日Appleは、iPhone、iPad、Mac、Apple Watch、Apple TVにより世界のイノベーションを牽引しています。
Appleの5つのソフトウェアプラットフォーム――iOS、iPadOS、macOS、watchOS、tvOS――は、すべてのApple製品でシームレスな体験を提供するとともに、App Store、Apple Music、Apple Pay、iCloudといった画期的なサービスで人々の可能性を拡げています。
Appleが使用している手法
・TV
ー例えば、TVのCMで流れた「Misundestood」を観た方は多いのではないでしょうか。iPhoneをずっと手放さない青年に対し、恐らくそれをよく思わない家族の「誤解」が解け、抱きしめるシーンは印象的でした。ナレーションもテロップもなく、最後に、ブランドロゴのリンゴが表示されます。
2020年2月、日本オリジナルとして、「Macの向こうから – まだこの世界にない物語を」は、アニメ世代をターゲットにした新しいCMを公開しています。様々なアニメのキャラクターがMacを使うシーンが映し出されます。
・WEBサイト(オウンドメディア・商品サイトなど)
サイト上に、”Apple サポートコミュニティ”があります。解決方法を探したり、質問を投稿して世界中の Apple ユーザとコミュニティでつながることができます。Apple 製品について学び、製品の楽しみ方をさらに見つけるのに最適な場所です。学んでいくにつれて、コミュニティで知識が共有できるようになります。
・SNS(Facebook、Twitter、Linkedin、Instagram)
- 東京ディズニーリゾート
いままでも、そしてこれからも、子どもの頃のように無邪気にわくわくする胸の高鳴りや感動を届けていきたい。そんな思いで進化を続ける東京ディズニーリゾートには、ウォルト・ディズニーの言葉が息づいています。
ひとつ、またひとつ、果てしなく大きな夢を叶えていくために。東京ディズニーリゾートはまだまだ成長の真っただ中です。この未完成の夢の先には、誰も見たことがない世界が待っている。わたしたちはそう信じています。
東京ディズニーリゾートが使用している手法
・TV・ラジオCM
季節ごとや35周年(2018年)のTVCMを公開しています。イベントやパレード、ショーの様子、それを見ている人たちの目の輝きから、「私も夢の国に行きたい!」と思わせる内容です。
大切な誕生日や記念日、結婚式をここで過ごしたい、大切な人との思い出を作りたい、あなたの”夢がかなう場所”として存在します。
・WEBサイト(オウンドメディア・商品サイトなど)
コロナによる休園中の対応として、本来であれば”入園しなければ購入できない”グッズがディズニーリゾートアプリオンラインより、販売されました。アクセスが繋がらず、かなりの争奪戦となりました。(再開した現在はオンライン販売は終了しています)
・SNS(Facebook、Twitter、YouTube、Instagram)
まとめ
マーケティング戦略の1つとしてのブランディングを正しく理解し、自社の価値を最大化する方法についてお伝えしました。
ブランディングのためのオウンドメディア運営や良質なコンテンツ作成にお困りの方は、ぜひ弊社へご相談ください。