Webライターを始めて間もない方のなかには、固有名詞と一般名詞の違いがよく分からないという方がいるのではないでしょうか。それぞれの違いを知って、適切に使い分けることがWebライティングではとても必要です。
また、固有名詞のなかには表記方法に注意が必要なものも多く含まれています。誤って使用するとトラブルにもなりかねないため、ぜひこの記事で確認しておきましょう。
目次
一般名詞と固有名詞の違いとは?
名詞には、一般名詞と固有名詞という種類分けがあります。一般名詞、また普通名詞というのは、そのカテゴリーに含まれるもの全てを指すときに使用される名詞のことです。例えば、「動物」や「テレビ」、「漫画」などは何か一つのものを指すのではなく、そのジャンルに含まれるもの全体を指しています。
それに対して固有名詞とは、固有のものだけに付けられている名詞のことです。国名や商品名、地名、人名などが固有名詞に該当します。例えば「日本」や「東京」、「かくたま」は一つしか存在しないものを指しているため、固有名詞です。
ちなみに、「太陽」はこの世に一つしかないものを指すため固有名詞のように思われますが、そもそも一つしか存在しないものは他のものと区別する必要がないため一般名詞に該当します。
効果的に固有名詞を使うには
一般名詞のみの文章は具体性がなく、読んでいてあまりイメージが膨らみません。そこで、固有名詞を効果的に使うことで、読みやすくて説得力のある文章を書くことができます。
例えば、「暑い夏には機能性インナーの着用がおすすめです」と書く場合と「暑い夏にはエアリズムのような機能性インナーの着用がおすすめです」と書く場合では、具体性に大きな差が生まれます。また、具体的な商品名を出すことで読み手にとってより有益な情報となります。
さらに、一般名詞は知らないが固有名詞は知っているという読み手もいるでしょう。「機能性インナー」がどのようなインナーなのか分からなければ、前者はイメージしにくい文章になります。固有名詞も効果的に使いながら読みやすい文章を書くことを心がけましょう。
しかし、固有名詞を使う時は間違った表記をしてしまいやすく、リスクが付き物となります。そのため、慎重に確認する必要があります。使うことで分かりやすい文章になることもあるため、使用可能な場合は効果的に使ってみましょう。
実は固有名詞に含まれる意外な言葉
多くの人々が一般名詞だと思って使っている言葉にも、意外と固有名詞がたくさん含まれています。例えば、「宅急便」や「サランラップ」、「バンドエイド」や「ウォシュレット」などです。これらの名詞は一般名詞だと思って使っていた方も多いのではないでしょうか。
「宅急便」は、ヤマト運輸が行っている宅配サービスの商標です。一方、宅配便は宅急便のサービスを含めた一般名詞です。宅急便が固有名詞、宅配便が一般名詞でありとてもややこしいですよね。このように1文字でも誤ると競合他社のサービスの紹介になってしまう恐れがあるため、十分に注意しましょう。
「サランラップ」は、旭化成ホームプロダクツ株式会社が販売しているラップの名称です。食品用ラップは全てサランラップだと思いがちですが、一般名詞ではありません。固有名詞の使用ができない記事を書く場合には「ラップ」や「食品用ラップ」などと書きましょう。
「バンドエイド」はジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社が販売している絆創膏の名称です。バンドエイドが固有名詞、絆創膏が一般名詞なので、覚えておいて適切に使い分けましょう。
「ウォシュレット」は、TOTO株式会社が販売している温水洗浄便座の名称です。ウォシュレットが固有名詞、温水洗浄便座が一般名詞ということを正しく理解しておきましょう。
これら以外にも「QRコード」や「テトラポッド」、「UFOキャッチャー」や「シャチハタ」など意外な固有名詞はたくさんあります。固有名詞の使用が禁止されている場合は一般名詞をうまく使って表記を工夫してください。
一般名詞のなかには、QRコードの「マトリックス型二次元コード」のように耳馴染みのなく分かりにくいものもあります。固有名詞のほうが広く浸透しているものもあるため、このような場合は文章で補足説明を入れるとよいでしょう。
このように、ライティングにおいて固有名詞を使用する際は理解を深め、正確に使いましょう。
確認しておきたい固有名詞の例3つ
この世の中に固有名詞は数え切れないほどあります。全ての固有名詞を覚えておくことは不可能ですが、特に間違えやすい固有名詞が多く含まれているジャンルが3つあります。それが、美容やファッションに関する用語、PC機器やIT用語、食品名です。
無意識のうちに使ってしまいがちなので、固有名詞が使用できない記事を書く場合は十分に注意しましょう。分からないときは逐一調べて、誤って固有名詞を書くことのないようにしっかりと確認すると安心です。
美容やファッション用語
美容やファッションに関する記事は比較的多いため、執筆する機会も少なくないでしょう。これらの分野の用語には固有名詞が多く含まれています。
美容用語で注意が必要なのは、メイク用品やコスメブランド、スキンケア用品に関する固有名詞です。商品名やブランド名は、全て固有名詞に当たります。
美容用語に含まれる固有名詞の例としては、「モロッカンオイル」、「CANMAKE」、「ニベア」などが挙げられます。
「モロッカンオイル」とは、株式会社コスモによるヘアケアブランドの名称です。一見、モロッカンオイルという名前のオイル全般のことを指している一般名詞のように見えますが、ブランド名です。固有名詞を使用してはいけない場合は「ヘアオイル」とするなど、表記を工夫しましょう。
「CANMAKE」とは、株式会社井田ラボラトリーズによるコスメブランドの名称です。安い価格で高品質なアイテムを販売しており、特に若い女性に人気なコスメブランドです。テレビCMが放送されているため名前が耳に残っている方もいるでしょう。
CANMAKEの他にも、化粧品ブランドはCMで名前を聞くことが多いですが、全て固有名詞なので使用禁止の記事の場合は注意しましょう。また、コスメブランドはローマ字表記であることが多いという特徴があります。綴りや大文字・小文字の区別はきちんと確認しておくと安心です。
「ニベア」とは、花王株式会社によるスキンケアブランドの名称です。ニベアのなかで特に代表的な商品は、ニベアクリームです。ニベアクリームは青い缶に入っていることから「青缶」と呼ばれることもありますが、正式名称ではありません。このため、商品名を記載する場合はきちんと正式名称で書きましょう。
ファッション用語で注意が必要なのは、ブランド名や商品名です。ファッション用語に含まれる固有名詞の例としては、「Louis Vuitton」や、先述した「エアリズム」などが挙げられます。
「Louis Vuitton」とは、LVMHモエ・ヘネシー・ルイヴィトンによるフランスのファッションブランドの名称です。Louis Vuittonのようなブランド名を使用する場合は、表記方法に注意しましょう。
どのローマ字が大文字・小文字なのか、カタカナで表記した場合はどのような書き方になるのかなどを確認しておくことが必要です。海外のブランド名を書く場合見慣れない綴りもあるため、しっかりと見直しを行いましょう。
「エアリズム」とは、ファッションブランドであるUNIQLOが販売している商品の名称です。他のファッションブランドからも似たような特徴の商品が販売されているため一般名詞として間違えそうになるかもしれませんが、エアリズムという名称の商品はUNIQLOでのみ購入できる商品であり固有名詞です。なお、固有名詞が使用できない記事の場合は「機能性インナー」などとぼかして書きましょう。
このようにファッション用語には、一つのブランドからのみ販売されているアイテムの名称も多く含まれているためよく確認してください。
PC機器やIT用語
PC機器やIT用語にも多くの固有名詞が含まれています。特にOSソフトやアプリケーション、SNSの名称などは全て固有名詞に当たるため、事前にしっかりと確認する必要があります。
PC機器やIT用語に含まれる固有名詞の例としては、「Windows」や「iPhone」、「Facebook」などが挙げられます。
「Windows」は、パソコンを使用するためのOSの名称です。世界中で非常に多くのシェアをほこっており、一般的なパソコンを購入すると多くの場合WindowsがデフォルトのOSとなっています。そんなWindowsですが、サーバー名などの表記方法が細かく決まっているため注意が必要です。
例えば「Windows server」は誤りで「Windows Server」が正しい表記です。大文字と小文字の違いをしっかりと確認してください。また、「Windows10」は誤りで「Windows 10」が正しい表記です。半角スペースの有無は見落としやすいので注意しましょう。
「iPhone」は、Apple社が販売しているスマートフォンの名称です。特に間違えやすいのは、iが小文字でPが大文字である点なので気をつけましょう。さらに、「iPhoneケース」など固有名詞に一般名詞が付いた言葉にも注意が必要です。固有名詞が書けない記事の場合は、「スマートフォンケース」などとぼかすとよいでしょう。
「Facebook」は、マーク・ザッカーバーグが立ち上げた世界的に有名なSNSの名称です。この固有名詞は、ロゴと正式名称の表記が異なる例です。ロゴが「facebook」と全て小文字あるのに対して正式名称は「Facebook」とFが大文字なので、書くときには注意してください。この他にもロゴと正式名称の表記が違う固有名詞は意外と多いため、事前によく確認しましょう。
特に気をつけたい食品名
食品名は、特に気をつけたい固有名詞です。なぜなら、日常で略称が使用されることが多く、記事でも略して書いてしまいがちだからです。加えて、市場を占めている商品名は一般名詞のように使用されることがあるため、混合することも多いです。
食品名に含まれる固有名詞としては、「カップヌードル」や「サクマ式ドロップス」、「マーブルチョコレート」などが挙げられます。特にスナック菓子などは略称が使われることや一般名詞と混同することが多いので注意してください。
「カップヌードル」は、日清食品株式会社から販売されているインスタントラーメンの名称です。世界で初めてのカップ麺として誕生し、現在も愛され続けている商品です。そんなカップヌードルですが、「カップラーメン」との混同に注意が必要です。カップヌードルは商品名で固有名詞、カップラーメンは総称で一般名詞なのできちんと使い分けましょう。
「サクマ式ドロップス」は佐久間製菓株式会社から販売されている飴の名称です。この名称に非常によく似た商品名があります。それが、「サクマドロップス」です。「サクマドロップス」はサクマ製菓株式会社から販売されている飴の名称です。この2社は別の会社で、商品も別物なのでややこしいですが混同しないようにする必要があります。
また、「サクマ式ドロップ」や「サクマドロップ」のように誤って書かないようにしましょう。分からなくなったら頭の中を整理するために調べ直すことが大切です。
また「マーブルチョコレート」は、株式会社明治が販売しているチョコレート菓子の名称です。「チョコレート」が付いている商品名は「チョコ」と略してしまいがちですが、略すと正式名称ではなくなってしまいます。そのため、固有名詞を書くときはきちんと正式名称で書きましょう。
固有名詞を使うときの注意点
固有名詞を使用するときには、漢字やローマ字の表記方法に注意しましょう。特に、地名や人名には見慣れない漢字が使用されていることがあります。常用漢字でないものが使用されていることもあるため、細部まできちんと確認しましょう。
ローマ字表記の固有名詞を使用するときには、綴りに注意してください。
特に、慣れない単語の場合綴りミスが多くなってしまいます。大文字と小文字の差も含めきちんと調べて、何度も確認することを心がけてください。
さらに、漢数字と算用数字の違いにも注意する必要があります。固有名詞であれば数字の表記方法も決まっているため、迷ったらすぐに調べましょう。
固有名詞を誤って使用してしまった場合、競合他社のブランド名や商品などを紹介してしまう恐れがあります。例えば、気をつけたい食品名として例に挙げた「サクマ式ドロップス」と「サクマドロップス」のような類似した商品名の場合です。これらは1文字間違えるだけで全く違う商品を表してしまいますので、トラブルの原因になりかねません。この点も意識して見直しましょう。
さらに、権利の関係でトラブルを引き起こしやすいのが商標です。使用しようとしている名詞が商標登録されているか否か調べて、誤って使用することのないように十分注意してください。
いかがでしたでしょうか。固有名詞は正しく使えば、説得力のあるライティングをするのにとても効果的です。しかし、間違いやすくきちんと区別が必要という特徴もあります。この機会に、一般名詞と固有名詞の適切な使い分けを覚え、ライティングに活かせるようにしましょう。
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